憧れの生ピラミッドへ。

なんとか無事にカイロへ到着。
機材没収の不安はなんのその、特に咎められることなく入国できた。

ホテルまで行くためにタクシーを手配。
提示金額に対し、これ以上は一切払わないとそこで言い切り、車に乗り込む。
案の定、ホテルに到着後にドライバーから別途チップを要求されるも、そそくさとホテルに逃げた。

ケニアで出会った旅人から聞いていた通り、この国のチップ要求は今まで行ったどの国よりドイヒーである。
ホテル内でも親切にはチップ、断っても勝手に荷物運んでもらったらチップ、ATMの場所を聞いたら勝手に連れかれチップ、ラクダが画角に入ったらチップ、空港でチェックインカウンターを尋ねたらチップなど、無料の親切は存在しないようだ。
それどころかピラミッドの正規スタッフや空港・鉄道職員なども当然チップを要求してくる。
日本ではチップに馴染みがないので、海外に行くとこの問題が煩わしいと感じる。

とは言え、郷に入れば郷に従うしかなく、チップ用には大量の50ポンド札(約250円)を用意しておいた。

このチップというもの、親切だと思ったのに「後からお金を要求される」ことが怒りの原因である。
別に数百円を意地でも払いたくないという訳ではない。
頼んでもいないことを勝手に手伝い、勝手にチップチップとなることに不愉快に感じる。

最初の数日はチップによる人間不信に陥っていたが、後半は完全に慣れてきており、先にお願い&交渉することでかなり緩和された。
荷物を運んでいるのを途中で手伝ってもらってチップチップとなるくらいなら、最初から呼びつけ上まで運んでもらった方が気分は良い。
そういう視点で見ると彼らはとても心強い存在になった。

さて、そんなチップの煩わしさがあってもピラミッドは一生に一度は生で見てみたいもの。
行きのタクシーの中からフライング気味に拝んでしまったが、間近で見る生ピラミッドは最高である。
そのシンプルで力強いフォルムももちろんだが、なんと言っても人類最古の現存する巨大建造物であり、未だに謎が多いのも魅力。

初めて肉眼で見て気付いたのは、意外にもスフィンクスとピラミッドが近い位置にあるということ。
勝手な想像では、広大な砂漠にポツンポツンと点在しているイメージだったが、ギザの3つのピラミッドは集合しており、その前に鎮座しているのがスフィンクスという感じだ。
また、広大な砂漠と中というよりは、ピラミッドエリアだけは砂漠が残っており、カイロ空港から40分、カイロ市街から15分くらいと意外にも街中にある。
よくネタにされているが、チケット売り場の目の前は1Fがケンタッキー、2Fがピザハットのビルがある。

せっかくここまで来たので、ピラミッドを動画に収るために色々と考えてみたのだが、タイムラプスをメインで撮ることにした。
タイムラプスとは、一定の間隔で写真を撮り、それを動画のフレームとして使用する方法。
よく見る雲がビュンビュン動いたり、夜空の星が動いているような映像がこれに当たる。

初日は下見がてら、手持ちで動画を撮ってみたが、しっくりこなかった。
理由はやっぱり観光客が多いのと、巨大過ぎて近くから撮ってもあんまりよく映らないことだ。
巨大建造物には風景と一緒に写すことで、その大きさがわかりやすくなる。

タイムラプスというのはとても良い撮影手法だが、実際の撮影はとても地味である。
三脚を立てて、撮影ボタンをポチ。あとは20-30分待っているだけというのをひたすら繰り返す。
こんなことを一日中やっていると、ずっと憧れだったピラミッドを前にしてもウトウトしてしまった。

そんなことを予想して、最終日だけピラミッドが見える部屋を予約をしておいた。
この周りのホテルは屋上がレストランで、ピラミッドを見ながら食事ができたり、ピラミッドビューの部屋などがどこも用意されている。
今回は色々調べた中で、最もピラミッドに近く、前に遮るものが何もなく、ちゃんとバルコニーがある部屋を大奮発で予約した。
やはりスイートだけありベッドも3つ、シャワールームも前日まで泊まっていた部屋の5倍はあった。

もちろんビューも最高で、横になりながらもピラミッドが拝める。
こんな最高の場所から最高の日の出とピラミッドを撮る。
想像しただけでも、いい映像が撮れない訳がない。
我ながら名案を思い付いたと自画自賛しながら、ポチっとして寝た。

朝起きてウキウキでデータを確認すると、まさかの事態が。
ピントが全く合っていない。
寝起きだから霞んでいるのかと思い、ゴシゴシしてもはっきり見えない。
今まで一度も日の出のタイムラプスをミスったことはなかったが、まさかここでミスるとは・・・。
これがファラオの呪いと言いたいところだが、単なる自分のミスである。

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