大体の人は、旅行に行くと決めたらまず航空券から取るはずだ。
そこにLCCがあれば、大体の人はそちらを選ぶ。
LCCにはご存知の通り、最低限のサービスしかない。
機内食も毛布も水も全て有料だ。
もちろん、荷物をチェックインカウンターで預けるのも有料。
20kgで5000円、30kgで7000円などと、行き先や重さによって細かく設定されている。
これはチェックイン時に申し込むことも可能だが、航空券購入時にオプションとして同時購入するのが一番安い。
つまり、旅にカメラを持っていくとなると、航空券より先に何を持っていくか決めなければならない。
今回は移動が多いからカメラを持っていかないとなれば、受託手荷物のオプションはいらない。
逆に、大きな機材を持っていくなら、重量に合わせたオプションの購入が必要になる。
ただ単に良い機材を持って行っても、旅先でそれがベストになるかは、また別の問題。
例えば、頑張ってRONIN2を持っていっても、いざ撮りたい時にセッティングに時間がかかるし、キャリーケースなど余計な荷物を置きっぱなしにするわけにもいかず、とても現実的ではないはず。
そこで、最低限のオプションで、現地でも身軽に、そして良い映像が撮れる組み合わせをご紹介。
まずは、目的が撮影のみの場合。
これは他に目的がなく、現地で映像を撮ることだけが目的の時。
カメラ:RED RAVEN
レンズ:TAMRON 10-24mm F3.5-4.5、SIGMA 18-200mm F3.5-6.3
バッテリー:IDX DUO-C95
スタビライザー:DJI RONIN-S
ドローン:DJI MAVIC 2 PRO
これが今年になって落ち着いた現在のベスト旅カメラセット。
この組み合わせなら着替えと機材を入れても、機内持ち込み用のリュックと受託手荷物20kgでギリギリ収まる。
どうしても重いのがRED用のVマウントバッテリー。
コンパクトタイプのIDX社のC95でも1本620gあり、いくつ持っていくか悩みどころだが、僕は大体3本持って行く。
そして、このバッテリーのおかげで毎回手荷物検査場で引っかかる。
前まではドローンで引っかかっていたが、バッテリー類が全て機内持ち込みになってからは、バッテリーのチェックが厳しい。
特にVマウントバッテリーなど見たことがない人が多いので、いつも不思議そうに眺めている。
レンズはいいのを持っていくのに越したことはないが、この装備だとこれくらいのサイズでないと重量オーバーになる。
この二本で広角から超望遠まで撮れるので、軽くて頼れる。しかも安い!
ドローンもあるので、飛ばせるところがあれば、また違った映像が撮れる。
また、地味に重要なことだが、この10徳ナイフのような見た目のRED用のドライバーセットSIDEWINDERは機内に持ち込めない。
一度、手持ちのカバンに入れて持ち込もうとしたが、検査場で引っかかり、チェックインカウンターに戻ってそれだけを預けさせられたことがある。
クアラルンプールの空港でこれだけがターンテーブルで回ってきた時には思わず笑ってしまったが。
折りたたみ式であろうと、一番長くした状態(工具を開いた状態)が15cm未満が規定。
これがないとREDは組めないので、REDを旅先で使う時は必然的に受託手荷物のオプションが必要になる。
そうなるとせっかくなので、受託手荷物前提の機材で臨むことを考えた結果がこの装備となった。
上記の機材で撮影した映像は以下。
次に撮影が目的ではない場合のセット。
これは、他に目的がある場合や移動が多くて撮影ができないだろうという時などの荷物。
カメラ:DJI OSMO POCKET、iPhone
(ドローン:DJI MAVIC 2 PRO)
以上(笑)。
これは機内手荷物内で収まることが大前提のため、軽いこそ全てである。
ドローンをカッコにしたのは、荷物に余裕があり、ドローンを飛ばす場所と時間がある場合は持っていくという意味。
大抵ドローンを海外で飛ばす場合は、日の出とともにテイクオフするので、早起きで対応できる場合は飛ばしに行く。
OSMO POCKETの良いところは、その小ささ。
カメラとジンバルが付いて116g!iPhoneより軽い!
4K60Pでも撮れるし、DJIお得意のアクティブトラックも使える優れもの。
また、REDでは絶対に撮影できないような場所で活躍するので、違った楽しみ方ができる。
例えば、地下鉄構内や空港、バスの車内、ショッピングモールの中など、移動が多い時こそ、その本領を発揮する。
これはこれで「ゲームの縛りプレイ」のようなワクワク感があり、挑戦してみると意外とおもしろい。
上記よりさらに撮影が厳しい場所には、iPhoneの出番。
バーやクラブの中などでは、大抵酔っ払っているし、iPhoneで気軽に撮る方が向いている。
こういった場では高そうなカメラよりiPhoneを向けた方が警戒心が薄れ、笑顔を振りまいてもらえる。
iPhoneは最強のサブカメラとして活躍するので、カメラ性能が上がったら必ず買い替え、最新モデルにする。
よくデザインをディスられているが、僕にとっては「スマホ機能付きカメラ」なので、三眼になろうと五眼になろうと写りが良ければ全く問題ない。
<香港&マカオでOSMO POCKETと1フライトのドローンのみで撮影>
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一眼レフやミラーレスを外したのは、やれることがREDと被っている点。
いくらカメラが軽いとは言え、ちゃんと撮影するとなると、結局スタビライザーや三脚など荷物が増え、機内手荷物だけでは確実に収まらない。
REDにしてもミラーレスにしてもRONIN-Sを構えてひとり撮影している姿は、「変な人」に変わりないので、それなら映りのいい方を選ぶ。
来年辺りに、Inspire2のX7のOSMO PROみたいなものが発売されれば、さらに荷物は減らせそうだ。
軽量化の旅もまだまだ続く。