ウォールアートとブリュッセル。

ローマの窮日の後は、ヘプバーンの出生地であるブリュッセルへ。
東京からの直行便が安く取れたため、今回のヨーロッパ旅はここブリュッセルを起点とた。

年末年始はどこに行くのも高い。
特に海外、しかもヨーロッパともなれば目玉が飛び出る。

スカイスキャナーなどで検索すれば、格安チケットも手に入るが、安ければ安いほど乗り換え回数も増える。
移動時間は長くなるし、荷物がロストする確率も高くなってしまう。

そういったストレスとリスクを背負って少しでも安くするか、安心と時間を買って直行便を選ぶかは、時と場合で使い分けるが、今回はカメラがあったので後者を選んだ。

調べてみると、ロンドンやパリなどはやはり高いが、人気がイマイチなのかブリュッセルの直行は他に比べて3割くらい安かった。

まず、街を歩いて感じたのは、グラフィティの多さ。
壁だけでなく、ご丁寧に電車までボムられおり、昔のNYのようだ。

グラフィティひしめく街には創造力が溢れている。
SNSで目立つのが全盛の時代に、法を犯してでも自己主張する様は、抑えられない何かがあるからだ。
普段見慣れた自分たちの街を、自分たちの手で足して塗り替えていく、そんなフッドのパワーを感じる。

面白いもので、出来が悪い作品は次のライターによって次々に塗り替えられてしまう。
逆に出来が良いものは、なかなか上書きされない。

広告と同じで、人通りの多い目立つ場所はライター的にも価値が高い。
それだけ皆が狙うが、良い作品が先に描かれていれば、塗り替えられることは少ない。

もちろん無断で私有物に描くのは違法だが、街によって寛容なところもある。
合法的に描かれたウォールアートと違法なグラフィティの正確な区別は付かないが、アートと感じられるものならば残していくような雰囲気があった。

さて、そんな自分だけのアートを探して歩くのが楽しい街ブリュッセルにも、世界的にがっかりで有名な小便小僧という観光地がある。
実際見に行ってみたが、人集りがあったので気付いたものの、街に馴染みすぎていて散歩中なら素通りしてしまうほど小さい。
これが公園のど真ん中に100倍のサイズで放尿で滝を作っていたら、立派な観光名所になっていたと思う。

しかもこれはレプリカ。
本物は市立博物館に保管されているらしい。

全裸でここに立たされ、見た人全ての批判も受け止めていると考えれば、この坊やにも同情してしまう。

冗談みたいな話だが、インスパイア系の小便少女なるものも存在する。
見慣れた坊やとは違い、こちらのインパクトはスゴい。

小さい路地裏にあるその姿は、見たものを確実に不快させる。
同じ子供が用を足している姿だが、男女の差は歴然。
「見なかったことにしよう」という気分にさせる。

30年くらい前に出来たそうだが、小便小僧の批判を考慮しなくて正解。
これが公園の真ん中に100倍のサイズで作られていたらと思うと、ゾッとする。

 

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